第二次世界大戦後のデザイン界で影響力を増していったのが、アメリカでした。「シンプル・イズ・モダン」が世界のスタンダードとなっていき、「アメリカン・モダン」というスタイルの地位が確固たるものになった時代でした。
今回紹介するチャールズ・イームズは、そんな「アメリカン・モダン」を象徴する存在です。
メーベルトーコーは、これまで数々のデザイナーと協同して家具を作ってきました。私たちは木製家具を専門としていますが、デザインを語る上でチャールズ・イームズに触れずにはいられません。
「チェアに歴史あり、デザインに歴史あり」ということで、椅子・チェア好きにはぜひ知っておいていただきたい、工業デザイン(プロダクトデザイン)の先駆者イームズの名作チェアを3つご紹介します。
チャールズ・イームズとは?【戦後デザイン界に影響を与えた天才設計者】
チャールズ&レイ・イームズは、ミッドセンチュリー(1940年代〜1960年代)を代表するアメリカのデザイナーです。美術学校の同僚であるレイとは、1940年代初頭に結婚。チャールズの創作活動を生涯支え続けました。
チャールズ・イームズは、アメリカのモダンファニチャーの旗手として世界的に評価され、現在でも「イームズ・チェア」の名で人々に親しまれています。積層合板やプラスチック、金属などの素材を用いて、20世紀の工業デザインに大きな影響を与えるたくさんの名作を残しました。
当時は「頑丈であること」が椅子の無くてはならない要素で、イームズの独創的なデザインは、一見すると頼りなさそうに見えたため、メーカーは注目はするものの、製品化には踏み出せないでいました。
しかしイームズには「絶えざるテストによってデザインが前進する」という揺るがない信念がありました。成型合板によるシェル状のデザインは、体重を十分に支えるだけの丈夫さをしっかりと持ち合わせていました。
やがて、合板家具の展示会で彼の作品は大反響を呼び、世間から脚光を浴びるように。遊び心と機能性を備えたイームズのチェアは、意匠権が切れた現在もなお、リプロダクト製品(ジェネリック家具)として愛されています。
チャールズ・イームズの名作チェア3選
- プライウッドチェア
引用画像:wikipedia
イームズチェアのはじまりとなったプライウッドチェア。デザイン界に大きな影響を及ぼした記念碑的な作品です。余計な木材を省いたことで、軽くてすっきりとした見た目の椅子ができ上がりました。
また、曲げ木のを加工により、身体に合った快適な座り心地を実現しました。プライウッドチェアは、オフィスでも家庭でも使える快適な椅子となり、現代家具のデザインの基礎を確立しました。
- シェルチェア
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間違いなく世界で1番有名な椅子のひとつ。椅子という言葉を聞いてこの形をイメージする方も多いのではないでしょうか?
木製椅子が主流だった当時、初めて量産されたプラスチック製椅子がこのシェルチェアでした。製品化されるとすぐに注目を集め、家庭やオフィス、公共施設などで幅広く使用されました。当時はめずらしかった豊富なカラーバリエーションも魅力でした。
- ラウンジチェア&オットマン

洗練されたスタイルとゴージャスさ、そして快適な座り心地をも兼ね備えた、ラウンジチェア&オットマン。
ドキュメンタリー映画や書籍のテーマとしても取り上げられ、ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品としても選定されています。
ゆったりとした座り心地のラウンジチェア&オットマンはイームズの作品の中でも、最も人気が高く愛され続けているチェアのひとつです。こんなラウンジチェアで、コーヒーでも飲みながらゆったりとした時間を過ごすのも素敵ですよね。
終わりに
モダンで、遊び心と快適さを備え、シンプルで美しい。イームズの洗練されたデザインは現代のインテリア業界の基盤の1つとなり、50年以上経った今でも愛され続けています。
私たちメーベルトーコーの木製チェアも、曲木の技術を使い快適な座り心地を実現しています。木製ならではの優しくて暖かいデザインをお楽しみいただけます。
みなさんもぜひ一生もののお気に入りの椅子を見つけてみてください。