椅子のカタチは技術と素材の歴史。家具の基礎知識「曲木」「成型合板」「積層材」とは?新常識「突板」も紹介 - メーベルライフマガジン
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椅子のカタチは技術と素材の歴史。家具の基礎知識「曲木」「成型合板」「積層材」とは?新常識「突板」も紹介

椅子のカタチは技術と素材の歴史。家具の基礎知識「曲木」「成型合板」「積層材」とは?新常識「突板」も紹介

あなたは、椅子の歴史を知っていますか?

21世紀現在、椅子の形は直線曲線をあわせて作られるのが一般的となっています。しかし、最初から椅子は現代のように、機能的でデザイン性が高い物ではありませんでした。

椅子の歴史は、すなわち技術の歴史でもあります。

今回は、現在の椅子づくりを支えている「曲木」「成型合板」「積層材」「突板」といった素材・成型技術についてフォーカスしていきましょう。

技術の特性を知ることで、椅子選びに新しい価値基準を与えることができるかもしれません。たとえば削りだした木の表面を張り合わせる「突板」(つきいた)は、木材という限りある資源を大切に使うというSDGsの観点で、今日では再評価を受けています。

知っているようで、実は知らない椅子のこと。ぜひみなさんも、椅子の歴史に触れて、もっと好きになってほしいと思います。

19世紀以前の椅子は角ばっていた?「曲木」の登場で広がったデザインの可能性

19世紀以前の椅子は角ばっていた?「曲木」の登場で広がったデザインの可能性

曲木(まげき)とは

花と椅子の画像

曲木とは、曲木細工やベントウッドとも言われる、「木を曲げる」技術のことです。

木を曲げて曲線を作る技術は、そのまま一本の木を180度に曲げて背もたれを作ったり、繊細な角度を作り模様にしたりもできるため、様々な創造の可能性を秘めています。

硬い材質の木で作られた木を枠組みとして使用した家具は、主にヨーロッパ諸国で人気で、21世紀現在でも、多くの家具に使用されている技術ですね。

19世紀半から曲木細工が一般的に

19世紀半から曲木細工が一般的に

曲木細工を確立したと言われている「ミヒャエル・トーネット」は19世紀前半に活躍した人物です。

曲木細工を使用した家具…主に椅子を中心として世界中に流通させました。

18世紀前半から曲木細工自体はあったようですが、製作に時間がかかっていたため、一般的とは言いづらい状況です。

しかし、トーネットは、登場して1世紀しかたっていない曲木細工を大量生産する仕組みを作り上げたことで、曲木細工を応用したデザインの椅子を世界に流通させるきっかけを作り出しました。

19世紀以前の椅子は木を曲げずに直線的なデザインが多く、曲がっているように見えても、実は一本の木を曲げた形でくり抜いて作られているだけの椅子が多いです。

かなり直線的なデザインの椅子が大半を占めていました。

曲木細工によりデザインの幅が広がった

曲木細工の多くは卓上の家具や椅子に多く使われています。

曲木細工を使用した椅子は、日本の一般家庭でも多く使われており、様々なデザインがあります。

直線的なデザインばかりだった18世紀では考えられないほど、曲木細工により椅子のデザイン性は高くなりました。

現代社会を生きる私たちの傍にあるオシャレできれいな椅子の多くは、トーネットの貢献あってこそのモノと言えるでしょう。

20世紀の新技術「積層材」「成型合板」

19世紀に登場した曲木細工のほかに、20世紀には「成型合板」「積層材」と呼ばれる技術が登場します。

実は現在、私たちが使用している椅子にも多く使われている技術なんです。

「積層材」(集成材)とは

20世紀の新技術「積層材」「成型合板

積層材(集成材)は、単価が非常に安くサイズも多く取り揃えられるコスパが優秀な木材です。

細かい木材を集めて作るため、普段なら捨ててしまうような木材も、新たな木材として再利用できちゃいます。

いっけん非常にエコに思えますが、木調が一定のため無垢材との違いは素人目でもわかってしまいます…。高級感や無垢材ならではの深みを出すのは難しい木材です。

積層材は、多くの人から親しまれているためか、「集成材」、「ムク集成」、「ブロック集成」など、様々な呼び方があります。

椅子に使われることもありますが、多くは建物の化粧貼りに使われることが多いです。

「成型合板」(プライウッド)とは

「成型合板」(プライウッド)とは

「成型合板」(プライウッド)とは、1mm程に薄くカットされた木材を接合し厚みを出すことで、曲面状になった木材板のことです。

板を重ねて作られているため、木特有のデメリットである、ゆがんだり反ったりがしにくい新しい製法になります。

曲木で作られた椅子よりも複数枚の板で作られているため強度があり、一度加工された物のため、自然のモノならではのクセや反りが少ない特徴があります。

一方、木の表情が一定なうえ、木が割れてしまった際の修復は非常にむずかしいです。

「突板」(つきいた)とは

椅子に使われている木材・技術は、曲木・積層材・成型合板以外に、「突板」と呼ばれるものがあります。

突板は、無垢材・天然木を薄くスライスした木材です。昔から北欧で使われている伝統技術として知られています。

天然木を使用した突板は「天然木化粧板」といわれており、木目の美しさが特徴の椅子や楽器の表面に使われることが多いです。

シート状の板のため、出来あがった家具の表面に貼るだけで天然の無垢材のように感じます。

家具の知識がない一般人が見ただけでは天然無垢材を使用した家具なのか、突板を使用した家具なのか、まず見分けはつきません。

普段は捨ててしまう無垢材を切り落とした後に出る廃材を活用できるため、SDGsにコミットした技術と言えるでしょう。

メーベルトーコーは突板技術による椅子を製作しています

メーベルトーコーは突板技術による椅子を製作しています
左:half chair Op.1、右:half chair Op.2

貴重な天然木を使用した椅子は高級なイメージがあると思います。実際、非常にお値段が張ります。

しかし、突板技術を使用した椅子はリーズナブルです。

グッドデザイン賞を獲得したこともある、デザイン性の高いメーベルトーコーの「ハーフチェア」は、色はもちろん引き出しの有無や樹木に選択の幅まであります。

見た目はインテリアの相性とも合わせられますし、メーベルトーコーは使いやすさ・快適性にもこだわった椅子作りをしているため、普段使いにもおすすめです。

ハーフチェアのほかにも多数の家具アイテムがありますので「公式オンラインショップ」もご覧になってください。

まとめ

曲木細工木から削りだした無垢材を曲げる技術
積層材繊維方向を揃えて接着された材料
成型合板1mm程の板を重ねて曲げた板

今回は椅子のカタチ、技術・素材について紹介しました。

年表通りにまとめます。

まず、19世紀に大量生産を可能にしたトーネットにより、世界中に「曲木」を使用した椅子がが世界各地に流通しました。

その後、20世紀には、細かい木材を集めて作る「積層材」や1mm程に薄くカットされた木材を接合し曲面状になった木材板である「成型合板」が登場。

20世紀現在、天然木家具に早変わりできちゃう安価でエコな「突板」の注目度が上がって来ており、SDGsにも貢献できる新常識になりつつあります。

ぜひ、天然木を突板で使用した「メーベルトーコー」で天然木に囲まれた生活を体験してみてはいかがでしょうか?

メーベルトーコー公式通販オンラインショップ